医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
住所:〒224-0003 神奈川県横浜市都筑区 中川中央1-37-9 TNKビル2F 
電話番号:045-914-6560

コラム

この10年ほど、地域誌に毎月載せていたコラムです。内容的に少し古い記事もあります。

2019.10.04

2017年6月 甲状腺疾患と産婦人科

甲状腺疾患は内科の疾患で産婦人科とは関係なさそうに見えますが、当院では、甲状腺疾患に起因する産婦人科の疾患を結構見つけています。
月経不順は「女性ホルモンのバランス?」以前からよくおはなししている「プロラクチン?」などなど色々な原因がありますが、月経が2~3ヶ月来ない方の中の20人に一人は甲状腺疾患が隠れています(当院のデータ)。もちろん、プロラクチンも甲状腺のホルモンに振りまさされて異常値になり、結局、月経不順の原因になります。PMS(月経前症候群)や更年期障害の方の中にも女性ホルモンのためではなく甲状腺疾患からの体調変化で症状がひどくなっていることがあります。また、妊娠中も甲状腺疾患のある方は出産後の新生児の管理も含め注意を要します。
甲状腺疾患の治療薬はそれ専用のものであるため、その存在を見逃されると、全くといっていいほど症状が改善しません。
家族内発生率も高いので甲状腺疾患患者の女性血族の方で似たような症状が出ている場合はまず、甲状腺疾患を疑うことを推奨します。以前、甲状腺疾患を見つけた患者様の姉・母・祖母がすべて甲状腺疾患であったことがありました(本人に家族内で調子悪い人がいたら内科にいってみてねと言ったところ発見された)。
産婦人科疾患だと思っても内科的疾患と大きなつながりがあることも多いので注意しましょう。

2019.10.04

2017年5月 妊娠中のクラミジア検査結果の説明

当院では妊娠中期の頃にクラミジアDNAの検査を実施しています。クラミジアとは性感染症の一種です。おりものの変化や時々性器出血するなどがありますが、一番問題になるのが妊娠中の破水の原因となることです。もちろん、それ以外にも新生児影響がでることがあります。今回はこのクラミジア検査結果が陽性だった方への説明についての注意事項について述べます。
結果が陽性の時は、さらっと話してしまって「上記のことが起こりえるので妊娠中に使える抗生剤を処方しますからそれを飲んでもらえばよくなります」でいいのかもしれませんが・・・。実は結果を聞いた患者側からすれば感染「経路」に気持ちが捕らわれます。
クラミジアは性交渉でうつる病気です。そのため陽性になったときは夫が自分以外のだれかと性交渉をして感染したのを自分(妊婦)にうつしたんだと考えます。結果を聞いて帰宅後、夫に対して「あなたから性病をうつされたから赤ちゃんが危険にさらされているのよ!私が妊娠中なのに、あなた誰としたのよ!」(まるで最近よくあるゲス状態)と叱責してしまうことが多いです。そう言われた夫は泌尿器科に駆け込んで、すぐ調べたところ「陰性」とでて、さらに泌尿器科の医師がよりによって「あんた白、奥さん黒だね!」なんて無配慮な説明をしたため、今度は夫が奥さんに対して「なにもなかったぞ!君こそ僕じゃなく誰からクラミジアもらったんだ!それに、そのお腹の子、本当は誰の子なんだ!?」という最悪の状況まで行きつきます。完全な勘違いなのですが・・・。
実は、クラミジアは以前に調べたことがあれば別ですが、調べたことがなければ生まれてから今までのすべての性交渉のどれかで感染して症状もなく何年もずっと持っていることがあります。ですので、このことを結果報告の際、必ず医師が説明しておかないと、あたかもつい最近の感染であるという前提で患者は話の流れをすすめてしまうのでこのような無駄なもめ事がおこります。
ここで書いた話は実例で他の医療施設で言われて夫婦喧嘩になり、その後、当院に相談に来られた方なのです。折角の楽しい妊娠期間を悲しくさせたくありませんよね。困ったら、きちんとしたところで相談しましょう。

2019.10.04

2017年4月 妊娠初期の流産の扱い

残念にも胎児がうまく育たず流産された場合、まだ内容物が子宮内に留まっている状態を稽留(けいりゅう)流産と言います。以前からの考えでは流産の処置として、子宮内容を手術で掻爬することのみを第一義と考えて行なわれてきました。一方、体外受精などを行なう施設から異なる意見で自然に全部排出してくれた方が子宮内膜を疲弊させないでいられるとの考えから手術をせずに待つと言うことも言われています。そのため、実際にかかりつけの医療施設がどちらの説明をされるかによっては扱いが変わってしまいます。
もちろんそれぞれ一長一短が有り、手術をすれば内膜をほんの少しであるが、いわゆる「いじめた」状態になります。また、待っていると、非常にまれですが流産物が貯留しているのが原因で子宮内感染を起こして子宮内膜炎を引き起こし次の妊娠が非常にしにくくなることも危惧されます。それと、いつ自力で出てくるかはわからないので出始めたときの処置はどうするのかという問題点もあります。残念な結果の際は、かかりつけの先生に十分相談の上、方針を決定しておいて下さい。
先日救急外来としておいでになられた方は、体外受精専門のクリニックで診ていて妊娠3カ月子宮内胎児死亡と診断され内容物が自力で出ることを「経過観察する」と言われた方でした。その結果、急に内容物が出始めたため電話をしたところ診察は今すぐではなく混んでいるので予約日に来る様に言われ、その内容物(胎児も含め)は「持ってこられても困るので、トイレに流して下さい」と言われたそうです。精神的にどれだけつらかったでしょう。それに排出した流産物は病理検査に出して絨毛性疾患が無いことを確認するのが常道です。このように残念な結果になったとき「経過観察する」医療施設なのか「放置する」医療施設なのかの見極めはしないといけません。

2019.10.04

2017年3月 トキソプラズマIgG avidity

妊娠中にトキソプラズマの初感染を起こすと胎児奇形を起こす可能性が非常に高いです。
未だに妊娠初期の血液検査にトキソプラズマの検査を入れていない施設もありますが、その理由はわかりません。トキソプラズマによる胎児の異常はインターネット検索などですぐわかりますのでここでは今回述べません。検査方法はまず採血検査でトキソプラズマIgG抗体の有無を調べます。これが陰性であれば過去から現在までの感染を否定できます。トキソプラズマIgG抗体が陽性であれば、過去から現在のどこかで感染を受けています。持続感染は存在しないので今回の妊娠中に初感染であるかどうかが重要になります。それでトキソプラズマIgM抗体を調べます。IgM抗体は一般的に初感染の一時期しか出現しない抗体なので、トキソプラズマIgM抗体が陰性であれば、今回の妊娠中に初感染を起こしていないことになるので大丈夫です。しかし、トキソプラズマIgM抗体が陽性であると今回の妊娠中に初感染した可能性が出るため胎児にも同時に感染し奇形児となる可能性があります。そのためアセチルスピラマイシンを分娩まで結構の量を服用することをしいられます。
ここで問題になるのがトキソプラズマIgM抗体がなぜかずっと低値で何年間も陽性になっている方が結構いらっしゃることです。そうすると昔の感染なのにも関わらず飲まなくていい薬を飲む羽目になるのです。
そこで調べるのがトキソプラズマIgG抗体のavidityです。これは過去にトキソプラズマに感染していると、このavidityの値が20%より超えて来ます。そのため、20%を超えてきていれば、過去の感染であると診断されます。この検査は一部の検査機関だけで行なわれていて保険適応もありません(何で保険適応でないのか不明)。当院でもavidity検査を実施してトキソプラズマの妊娠中の初感染でないことを診断できた症例が多数あります。もし、あなたがトキソプラズマの検査でしっくりこない結果を説明されたら、ちゃんと説明・検査してくれるところに受診しましょう。

2019.10.04

2016年12月 全国がん登録

法律で「がん」になった方を登録する事になっています。病院はもれなくすべてで、当院のようなクリニックは任意です。ただ、今までの私の経歴からも「がん」の患者様が結構おいでになるため「がん登録」実施可能施設として手を上げてしまいました。すると毎年、登録をちゃんとしていないと私自身が法律に触れる事になるようで刑事罰のおまけまでついていて、、、手なんか上げなければ良かったと後悔しても後の祭でした。今回、登録のために当院にかかられて「がん」と診断された方をきちんと調べ上げましたところ・・・。
子宮頚部癌が2名、子宮体部癌が6名、卵巣癌0名という結果となりました。子宮頚癌の方が多いかと思いきや体癌の方が圧倒的に多い結果になっています。ただ、子宮頚癌検査を受けている方は癌になる前のCIN3(以前の言い方での高度異形成の時点で、上皮内癌のCIN3ではなく)で手術をすることが多く,その方だけを数えると相当数いらっしゃいました。一方、子宮体癌の方は当院だけでずっと診ていた方は2名で進行した体癌にはなっていませんでした。一方、残念にも他のクリニックで診ていた方に進行したがんの方が4名いらっしゃった結果になりました。体癌検査を「痛いから,この検査・・」と医師から説明を受けて実施していなくて本格的な癌の症状が出てから当院に転院されて見つかった方が多かったのです。
あくまでも今回の当院データからの判断ですが、折角内診台に載ったのに体癌検査せず進行させるまで放置してしまうのは、あまりにももったいないかと思います。初期で見つけられてこその癌治療であって、わざわざ進行した状態になるまで放置する必要はないのですから・・。
それと・・本当にFor You おわりなのかな?とりあえず,最終稿です。皆さん、ごきげんよう!

2019.10.04

2016年11月 疑問点まとめ

来月号でForYouが終わってしまうそうですね。休刊と言うことは休むのかな?よくわかりませんが、、、今回と次回で終わりになるので…。
皆さんが婦人科クリニックで感じる疑問点をまとめてみました。順不同ですので関連するものがあればみて下さい。

・女子高生の娘が月経不順でとりあえずピルの飲むことになった。
・多嚢胞性卵巣(PCO)と言われてピルでなおるといわれた。
・多嚢胞性卵巣があるから排卵ができないようになったと言われた。
・子宮頚癌の検査の結果でクラスⅡなので半年後に検査しないといけないと言われた。
・子宮頚癌のワクチンを受けるように強く薦められた。
・月経周期を考慮しないで超音波検査を行い内膜が厚いと言われてピルを薦められた。
・ミレーナという黄体ホルモンのリングがあることを説明せずにピルを薦められた。
・子宮筋腫があると言われてピルを薦められた。
・妊娠20週ちょっとで逆子と言われて注意された。
・カンジダだから,座薬を入れに毎日来るように言われた(クリニックが休みの日は自分で入れるように言われた)。
・40代前半で更年期近いからといわれてピルを薦められた。
・子宮頚癌検査結果をベセスダ表記で説明してくれなかった。
・基礎体温がガタガタなのは計り方のせいといわれた。
・とにかく何でもピルと言われる。

などなど、色々ありますが、当院では上記項目は、ほとんど「違う!(間違っている!)」と思っています。もしこれらの項目で心配になるような項目があるなら当院へおいで下さい。解答があります。
ForYouで毎回これらについて述べていたような気がします。

2019.10.04

2016年10月 夢オチ

数日前に夢を見ました。その内容はたわいもないものですが、20歳代頃の若い妻が現在の私に「今の奥さんと別れて私と一緒になりましょうよ!」といわれている夢でした。若い頃の妻にそう言われて、どぎまぎしている自分がいました。
一般的におつきあいが始まって結婚にたどり着いて、どこかの歌詞の文言ですが「男は結婚はゴールで、女にとってはスタートだ」とうまくいわれているように、出会いの頃からの二人には歴史があります。結婚して、妊娠し、出産し、子育てして、家族の楽しい思い出も紡いでいって、時には不安な事や悲しいこともあります。婦人科でいえば、妊娠できずに焦る時、妊娠したけど出血とかがあって不安で怖いとき、出産して子育てで悩むことなど、また、年齢を重ねてからは子宮筋腫や子宮癌の疑いが出たり、閉経して更年期になったり、その時、ともに夫婦で一緒に歩んできているはずです。もちろんお一人で楽しく生活されている方もいると思いますが、どのような方にも常に年を重ね色々な思い出が積み重なって今があると思います。結構、医療従事者はその合間合間に関与していることが多いので責任は重大だと考えています。なので皆さんの積み重ねた歴史への影響を鑑み、悩みなどがあった際はできるだけのことを考えお手伝いできればと考えています。
先ほどの夢のつづきは「今の妻との歴史を紡いできたので、その歴史を作れていない君とは一緒になれないよ!」と、夢の中でことわりました。リアルは妻からプロポーズされたのでは無く私から妻にお願いして結婚したのに夢のなかでは都合いいことを想像しているようです。
でも、眼が醒めてから、かっこつけずに若い頃の妻を選んじゃっても良かったかな?とちょっと後悔している自分がいました。所詮夢ですけど、ちょっとどきどきしました。

2019.10.04

2016年9月 紹介状

紹介状といっても,私が医師になりたての頃(35年以上前)、前時代的医者から「僕の患者だからよろしく!」(結局、こちらからすると「あんた誰?」そもそもどんな医者だか知らないし・・・に、なる)という名刺の裏にメモが書いてあるようなものではなく、今回の話題は医療情報提供書としての紹介状のことです。
小泉政権以降から大きな病院の初診時、医療情報提供書がなければ病院は別途自費でお金を請求できるようになりました。そのため、医療情報提供書をかかりつけの医師から発行してもらってからでないと受診しにくくなりました。以前かかっていた時に行なった検査内容や診断名治療方針そして治療の効果とその変遷がないと病院側も却って時間もかかり、ひいては患者様の不利益になるので意義はあります。しかしながら、健康保険適応であっても3割負担なら750円が医療情報提供書の費用となります。
そこで不思議なのが、クリニック同士で特に分娩を取り扱う施設でのそのやりとりです。当院の不妊症治療後めでたく妊娠され分娩施設への分娩予約をする際、当然病院レベルに対しては医療情報提供書を携えて受診する事が当たり前となっています。病院によっては前もって医師自らがFAXし、分娩先の医師と話をしてから紹介を受け付けるというのまであります。しかし、とあるクリニックでは「紹介状なんかいらないからとりあえず来て。紹介状っていってもただじゃないから,患者のお財布まで考えてあげてるよ,うちは・・・」みたいなところがあります。「大丈夫かな?」と不安になることがしばしば。特に当院では甲状腺疾患や心疾患、子宮筋腫などの合併症の方も多く診ているだけに、その原疾患合併妊婦となっている方を医療情報提供書無しで診察してから「おたく(当院のこと)からきた患者だけど、今までの経緯がわからないから教えてくれ」と電話かけてきたり(これは口頭で話す内容はない)します。「紹介状不要!早速来ること!」といわれご夫婦で行かれたのですが、今までの既往歴を話したところ「あなたはうちでお産は、そもそも無理だから、他へ行って!」といわれて面食らった方もいます(しっかり診察料はとられたそうです)。「医療情報提供書は不要」といわれた分娩先はちょっと不安を感ぜずにはいられません。
そもそも「紹介状不要!」ということ自体、それまで診ていた当院の診療内容を全く無視するのと同義語ですので、ある意味「非常に失礼」な話なのですが。

2019.10.04

2016年8月 a pregnant woman

妊娠は生理現象の一つです。何も無ければ何も変なことは起こりません。妊娠経過をまっとうし分娩に至るのが普通です。しかしながら、そうでは無く、色々な事が妊娠経過中、分娩経過中に起こります。そのことを前もって推定し回避する。そして、実際に起こってしまったら,できるだけ速やかに対処し修正する。修正不可能である場合はできるだけ最終結果が良い形になるように持っていくのが医療関係者の責務です。
ですので妊婦健診の際は患者様からすれば当然楽しみにしている赤ちゃんをみるわけですから幸せな気持ちになってもらいたいのですが、私たち医療関係者は顔には出さずに異常が無いかの目配りを怠らないようにしています。いわゆる、バックヤードの仕事だと思っています。
何も異常な感じを受けずに妊娠経過を過ごす状況を作り上げるのが私たちの使命です。その結果「a pregnant woman」という形になってもらうのを私は理想としています。言い方は変かもしれませんが生理現象である妊娠中の状態、つまり、何も異常の無い「どこにでもいる妊婦」になっていてもらうのが理想です。できるだけ特殊な状況になってしまった「the pregnant woman」にならないように注意を払います。
非常に抽象的かもしれませんが、そう思っています。ただし当院ではおいでになっているすべての方が「a patient」ではなく「the patient」と考えていますが・・・。

2019.10.04

2016年7月 名前

色々なものには名前がついています。医学関係においては、俗称と医学用語のように分かれているものがあります。代表的なのには「よだれ」「唾(つば)」は俗称ですが、「唾液」は医学用語です。「血(ち)」は俗称ですが「血液」は医学用語です。患者様のお話を聞くときは両者をうまく使い分けるのが肝要です。処方される薬も「一般名」と「薬品名」があります。一般名は非常に化学物質的な表現で難解な感じがします。薬の名前はよく使う「薬品名」の方が流布されてしまっていて、突然「一般名」で言われたり「ジェネリックの薬品名」(先発品に似てる名前も多いですが、似ても似つかない名前もある)を言われると、なんだかわかりにくいことがあります。その点を理解して両者を使い分けながら説明をしています。
当院のクリニックの名前も開院する際にありがたいことに、それまでかかっていて下さった患者様からすぐ私だとわかるように「田中」ではなく、フルネームで「田中彰」とつけてほしいと言われて名付けた経緯があります。その際、近隣だけでなく全国で同じような名前がないかは確認してからクリニックの名称決定しました。そのおかげで「女性医師ですか?」の問い合わせは、ほとんどありません。当然、似た名称のクリニックもないので勘違いされることもありません。
飲食店でも似た名前で混乱しも、両者で揉めていることがありますが、クリニックの名称も数文字違いのみで、ほとんど一緒の名称のものもあり、それはそれで混乱しますよね。
「名前は大事です」と最近ひしひしと感じています。

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