医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
住所:〒224-0003 神奈川県横浜市都筑区 中川中央1-37-9 TNKビル2F 
電話番号:045-914-6560

コラム

この10年ほど、地域誌に毎月載せていたコラムです。内容的に少し古い記事もあります。

2019.10.04

2019年4月 待合室

最近は車の販売店などによくキッズコーナーが用意されていることが多いです。セールスマンと車購入予定家族の交渉時に、子供が待たされて「もう帰る」といわれると、どんなにはなしがまとまりつつあってもそこで終わってしまうため子供達に退屈にさせて、その「鶴の一声」を発しないようにさせるためです。
クリニックの場合も待っていて「まだですか?」といわれるときはたいてい一緒においでになっているお子さんが待つのが限界か、もしくは子供のお迎え時間が逼迫してきていることが多いです。それ以外ではあまりそのことをおっしゃる方はいません。
子供に退屈させないためにも当院もキッズルームがあります。でも上記の目的以外でその部屋を使うことが多いです。というのは子供を連れておいでになっていない方や受診目的によっては子供がいるような雰囲気がつらい方もいます。また逆に子連れの方にとっては子供達が騒いでしまいまわりに対して気兼ねされるお母さんもいます。そのため当院ではキッズルームを設けることで待合室を住み分けしてしまい、お互いの遠慮感を解消しています。このようにスペースをうまく活用して待合室について配慮・管理することもクリニックの仕事の一環かな?と思っています。当院においでになったことがある方はその趣旨はわかっていただいているかと思っています。よくある保育士常駐と銘打っているけど、ただの擬似ミニチュア子供保育園(時にはそれが有料)を併設しているのとは異なります。
またこの発想の延長線上で内診室などでもお子様の扱いについてはマンツーマン対応をするように心がけています。診察時、連れてきた子供に決して怪我をさせない!ということに気を遣っています。診察時間より結局長い時間いることになるのが待合室なのでその配慮はしても・しても足りないくらいだと思っています。
でも、、、あまり待つのはつらいですよね…申し訳ありません。

2019.10.04

2018年3月 引っ越しシーズン

都筑区の特殊性と思えるのがこの時期の転勤などの引っ越しです。元々、丘陵地帯でこんなに便利な地域なのになぜかほとんど何もない場所だったところに街ができています。
この時期でなくても住居を購入されて引っ越される方もいますが転居家族が主導権を持って転居されます。一方、3月・4月はほとんどが仕事関係の転出・転入にあたります。そのため、多数の方が移動となり、妊娠中であっても有無もいわさずになります。
帰省分娩先に移動するのとは意味が異なり場合によっては全く行ったことすらない場所もあり得ます。その時は今かかりつけの先生に十分相談して下さい。引っ越すことはわかっていてもどこだかわからないという方の場合は当院では最初から実家(場合によってはご主人の実家)に分娩先を決めておくように話を進めることが多いです。急に転勤の場合は、ご自身でまず当たりをつけて、その後、必要であれば私から直接分娩先に医学的な内容の問い合わせをすることもしています(特に妊娠にともなう合併症を持っている方など)。
転居の際は婦人科疾患である子宮や卵巣の病気で経過観察を要していたり、月経不順などの経過などを転居先でみてもらうための医療情報提供書の携帯も必ずおすすめしています。これがないと一から全部検査されたり(すごくお金がかかったり・痛かったり)、もっと困るのが逆に軽く思われて経過観察がおろそかにされたりすることがあり得ます。今かかっている先生にお願いしましょう(というか、引っ越すことを話したら頼まれなくてもさらっと当然のように医療情報提供書を書き始める医者が本来の姿です)。
今かかっている先生に引っ越しされる方は転居先などを話してみて下さい。とても大切なことです。

2019.10.04

2018年2月 妊娠中、嫌な感染症

妊娠中、かかると困る病気は色々ありますが、大きく分けると次の5つです。
梅毒・トキソプラズマ・風疹・サイトメガロウイルス感染症・りんご病(パルボウイルスB19感染症)です。
梅毒は胎盤形成するまでに治療開始していれば胎児への影響は回避できます。
トキソプラズマはこれに感染しているネコやブタ(養豚場レベル)の糞を吸引すると感染します。良く半生肉食べちゃったから大丈夫か?と心配する人がいますが、そんな方に限って、上のお子様と公園の砂場(野良猫がうんちするのを好む場所の代表)で遊んでたりして、そっちの方がずっと危険です。
風疹は予防接種を受けていて、その抗体がしっかりあれば防げますが、妊娠中に予防接種はできないので、予防接種による追加免疫は得られません。妊娠する前に免疫を獲得しておかないといけません。
サイトメガロウイルス感染症は風疹なみに胎児奇形を含めた障害を起こします。唾液からの飛沫接触感染で過去は全人口の99%免疫を持っていたのですが、今は70%前後と言われていて、免疫を持っていない妊婦が初感染すると胎児に異常を起こします。予防接種も治療薬もありません。
りんご病は風邪と同様にうつります。ほぼ、年齢の数字をその抗体保有率と考えて結構です。例えば28歳なら28%、35歳なら35%とか・・。従って、ざっくり計算すると1年間に1%の初感染がいることになります。初感染時妊娠していると胎児の赤血球を破壊して極度の貧血・心不全を起こして死亡します。ただ、胎児奇形はないので胎児死亡を起こさないで乗り越えられれば出生後は特に問題ないです。
これら5つの内、梅毒・風疹はほぼどこの妊婦健診施設で検査します。トキソプラズマは稀に検査しない施設があります。でもサイトメガロとリンゴ病は検査しないところがほとんどです。職業柄(看護師・保育士・クリニックの受け付け事務・不特定多数の人と会う仕事など)、感染の可能性のある方は妊娠する前に知っておいた方が絶対に安心です。ちなみに当院の職員にはこれらを説明し全員に検査を実施して、安心してくれています。

2019.10.04

2018年1月 無痛分娩について(まとめ)

分娩は赤ちゃんと実際に初めて会える瞬間でもあり、できれば痛みに振り回されずに実体験しておきたいという希望はわかります。もちろん、陣痛がある意味、非常につらいものであることも理解できます(男性からはわからないだろう?とかおっしゃる方がいますが、実際に怪我していなくてもその痛みは十分理解できるのと同様に陣痛に関しても理解はできます)。「無痛分娩」の発想は否定しませんが、あくまでも硬膜外麻酔で技術的に熟達していて麻酔管理も常に産婦のベッドサイドにいて行なわなければなりません。そして不幸にも麻酔に伴うネガティブな事象がおこれば速やかに発見しすぐに対策ができなければなりません。また、本当ならば陣痛がおこってからその痛みを消すものであって痛みを消す手技を行なったから陣痛を起こすというのは本末転倒であることも理解すべきです。
以前、私が横浜赤十字病院で部長として分娩管理の責任者であったとき、無痛分娩は緊張を伴ってパニックになる方や分娩の痛みに対して格別の恐怖心を持っている方に限定して行なっていました。痛みを消す方法は硬膜外麻酔で真夜中であっても麻酔科の部長先生に必ず実施してもらい産科医は分娩に専念していました。当然、陣痛が起こってから麻酔し、時には陣痛が遠のいてしまった場合はエピを抜去し無痛処置を中止したりもしていました。ここまで対象を限定し、施術者も病院内で最高の技術者にお願いし、産科医も分娩に専念して行なっていただけに、特にトラブルもなく、皆さん無事にお産をされていました。
無痛についてコストパフォーマンスとか言う言葉を用いるのは私の年齢になると医療行為にはそぐわない気持ちになります。あくまでも個人的意見で参考程度に記憶して下さい。

2019.10.04

2017年12月 無痛分娩について(IV)

ずっと昔「明日ゴルフ行くから今日中にお産終わらせとこう」とか「夜中に産まれるのは面倒だから昼間の内に産ましちゃおう」というわがままな考えで医学的根拠もなく陣痛促進で分娩させていた医者もいました。妊産婦にとっては大きな迷惑です。逆に「遅生まれ・早生まれの境になるので早く産ましてほしい」とか「夫と誕生日そろえたい」とか妊産婦側から陣痛促進の希望があって、それに応じる医者もいました。これは医者にとっては大きな迷惑です。でも、赤ちゃんにとってはどうでしょうか?上記のどれも赤ちゃんにとってはいい迷惑です。大人の都合のみで陣痛促進をしているのですから・・・。
これが破水をしてしまって時間がたっているとか微弱陣痛になってあともう一歩で分娩に至らないとかですと赤ちゃん・妊産婦・医者全員にとってメリットがあります。
本来、無痛分娩は陣痛がつらくその痛みを消すのが目的ですので、陣痛があって初めてそれを「消す」目的ができるにもかかわらず、いつ陣痛が来るかわからないから胎児も十分発育しているし折角無痛になる方策を講じているのだから(エピ入れたのだから)陣痛を起こして分娩させちゃおうという本末転倒の扱いを受けています。この場合は妊産婦も医者も合目的になり問題なさそうですが、赤ちゃんにとっては全く無視された状況になります。
陣痛促進はきちんと行なわれれば安全に出産することがほとんどです。しかし、不幸にもうまくいかず、子宮破裂や過強陣痛などが起こっても無痛分娩時は痛みがわかりにくいので発見が遅れて母児共に非常に危険な状態になることもあります。結果が悪く出たとき、さかのぼってみんな考えるのですが、、、そもそも、なんで陣痛促進をしたのだろうか?というところまで戻ってしまうと後悔のみが残ることになります。
陣痛があるから、それを消すというのは理解できますが、折角、無痛にしているのだから陣痛を起こすというのは逆だと私は思います。何か違うな?と。あくまで個人の意見ですが…。

2019.10.04

2017年11月 無痛分娩について(III)

無痛分娩の痛みの緩和方法について述べます。
いわゆる和痛分娩というのはラマーズ法とかもう少し薬剤を使って痛み止めの注射や内服などをして陣痛に伴う疼痛の緩和を目的にします。痛み止めの注射などで行なう場合、産婦を「ぼんやりさせて」痛みに対しての認識能力を下げ、その結果「痛くなかったかも・・」と思わせるものがありますが、その場合、施設にも寄りますが、薬の量が多いと産婦をほぼ傾眠傾向(半分寝てしまっている)にさせて、出生した新生児にも薬剤が回ってしまってスリーピングベイビー(自発呼吸もおぼつかないことがあります)になってしまうこともあります。
今回述べるのは無痛分娩です。無痛分娩のトレンドとしては硬膜外麻酔となります。背中からチューブを挿入し、脊髄神経をくるんでいる硬膜という膜の「外側」に留置して麻酔薬を「持続的」に注入して、決められた範囲内の痛みの神経をブロックするものです。従って、もし「内側」に入ってしまうと直接脊髄神経が麻酔薬に浸る状態になります。いわゆる腰椎麻酔はこれに当ります(この場合、持続注入はしません)。しかし、「内側」に入っているにもかかわらず「外側」にあると勘違いして「持続的」に麻酔薬を注入し続けると脳の方まで到達してしまい、全神経のブロック状態となるので自発呼吸ができなくなり放置すれば残念な結果になります。従って麻酔の手技が熟達しているのが大前提で、いわゆる「へたくそ」だと危険です。更に、一般的な手術の場合、麻酔をかけている状態の時、原則麻酔科の先生は患者のそばにずっといます(TVドラマですらも付き添ってますよね)。無痛分娩の麻酔も医師が傍にいて何らかの変調があった際はすぐ対応できる状態にしているのが絶対条件だと思います(距離的にも・時間的にも・技術的にもです)。
一言でいえば硬膜外麻酔を失敗しない技術と麻酔に伴うイレギュラーな事象に対しての対応策をとれる状態が最低限必要なことだと考えます。

2019.10.04

2017年10月 無痛分娩について(II)

無痛分娩のメリットしては分娩に伴う痛みを緩和して、一生のうち、数回しか訪れないであろう分娩全体の経過を陣痛の痛みに振り回されず、しっかり理解して体感できる点にあります。本来、陣痛時は分娩ハイ状態になりますが、それは、あまり得られません。分娩ハイはいわゆるマラソンハイと同様にマラソンの肉体的ストレスから脳内麻薬物質のβエンドルフィンが出て、却って「気持ちいい状態」なることです。同様に分娩ハイは陣痛に対してβエンドルフィンが分泌され、痛いけど「気持ちいい状態」が作られます。そのため、分娩直後、嘘のように陣痛が消えたあと、βエンドルフィンは残存しているため、出産直後に「赤ちゃんが生まれた!」「無事出産できた!」「お母さんになるんだ!」とか幸せ一杯の気持ちに、本人が気づかないうちに脳内麻薬物質のおかげで「気持ちいい状態」が追加されるので何とも言えない幸せそうな表情になります。でも、無痛分娩のあとはこのβエンドルフィンの効果はほとんど発揮されません。マラソンで、中途をはしょって、ゴール近くまで車で運んでもらったようなものです。でも、このことは味わえなくても、この陣痛の痛みから解放される事のメリットは多いと考える方がいらっしゃいます。
ディメリットはいかがなものなのでしょうか?大きくは次の2つに集約されます。
「麻酔の手技による副作用」と「分娩に向けて陣痛誘発・促進をする」二点です。
次回はこのことについて書きます。

2019.10.04

2017年9月 無痛分娩について(I)

無痛分娩について最近マスコミで色々話題にされてきています。当院では分娩を取り扱っていません。そのため、一生懸命分娩を行なっている施設には申し訳ないのですが、逆に非常に中立な立場での私見を書けます(無痛をしている施設なら無痛を推奨し、実施していないところでは無痛を否定する意見を述べる可能性が高いという意味です)。
無痛分娩は世界的にはトレンドになりつつあります(トレンド=正しいこと:ではありません)。ただし、米国やフランスでの無痛分娩のメインは陣痛が起こったらその痛みを消すというものです。無痛分娩をするために陣痛を誘発するというものではありません。主は「陣痛」で、従が「無痛化」です。日本はどちらかというと主が「無痛化」で従が「陣痛」です。これは全く目的感が異なっているのが重要なところです
しかしながら、日本で医療事故が起こった医療施設での無痛分娩は「無痛分娩をするために誘発分娩を行なった(全く分娩が開始していないのに陣痛を起こした)」ものです。その際、最終的には陣痛促進剤もいけない行為の1つであるかのように書かれ始めている感がいなめません。
では、通常の分娩と無痛分娩のメリット・デメリットはなんでしょうか?
これらについて次回から順次お伝えしたいと考えています。
もし、急いで知りたい方は当院においで下さい。

2019.10.04

2017年8月 子宮頚癌検査

現在横浜市発行の母子手帳には同年度内でなければ無料で子宮頚癌検査が行えるクーポンが添付されています。それによって当院では妊婦検診再診料を1回無料にできる上に、子宮頚部の異形成の有無を知ることもできます。結構なことだと思います。
最近、自己採取で子宮頚癌検診をされていて異常がないと診断されていた方に、クリニックで行なう子宮頚癌検査をしたことによって癌に近い所見が見つかったことがまたありました。やはり、クリニックなどの内診による子宮頚癌の検査の方が正診率は格段に高いと考えています。さらに、検査結果を見てもベセスダシステムの表記であっても説明が不十分だったり、未だクラス分類表記だったり、場合によっては独自の表記でAとかBとか書いてあるのまであります。
昔の産婦人科医の入局したての頃のバイトは子宮頚癌の集団検診でした。でも、行く際に先輩先生からは必ず子宮腟部を視認してそこをしっかり擦過採取をするようにわれそれを守っていました。やはり、手前味噌になりますが、医療施設で丁寧に子宮頚癌検査を受けた方が検査の精度も結果に対する理解もずっとよいのではないかと考えています。あとになって、あの方法で検査を受けていたらと考えるくらいなら・・・という意味で・・・。

2019.10.04

2017年7月 子宮頚管ポリープ

人間ドックで子宮頚癌検査を受けると自費診療であるため目的の行為しかしません。子宮頚部細胞診検査といわれていると子宮頚管ポリープがあっても説明はのみで切除してくれません。
子宮頚管ポリープは子宮の出口で膣の奥に位置します。取ること自体は痛みも全くなく特別なことではありません。排卵の頃に子宮頚管粘液を出すために子宮頚管内は若干イボイボしていて、それが子宮口からはみだして顔を出している状態のものがほとんどです。そのため、胃とか腸とかにできるポリープと異なって、悪性である可能性は非常に低いです。でも、子宮頚管ポリープを切除して病理検査に出すと、やはり、癌の方もいます。
もし、人間ドックで頚管ポリープといわれたのであれば、必ず切除のためクリニックにいかれることをおすすめします。人間ドックとクリニックで、2回内診台に乗るのが嫌な方も多く、内診台が1回で済むクリニックにおいでになって、その切除と癌検診は同時に行なうことを選択される方も多いです。切除は保険適応ですが手術の扱いになるのと必ず病理検査に出すのでその処置のみで約6000円(健康保険3割自己負担の場合)ほどかかります。結構高額なのです。
でも、稀とは言え、頚管ポリープのみから発生する癌もあるので当院では必ず説明して切除するようにしています。

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tel.045-914-6560
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