医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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電話番号:045-914-6560

コラム

2019.10.04

2019年2月 インフルエンザ

新薬のゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル:1回投与で良い薬)に対しての感受性低下ウイルスが検出されました。去年3月から使用可能になったお薬です。現時点(平成31年1月30日現在)では,あくまでも感染していたウイルスの中にこの薬が効きにくいウイルスがいただけで、効かないウイルスのみが感染して流行っているわけではありません:今のところ・・・。タミフルやリレンザなども耐性をもったウイルスはいるにはいますが、非常に少数です。ゾフルーザは小児ですと4分の1弱に耐性が認められるようです。つまり、ゾフルーザを服用した4分の1くらいは効きにくい可能性があります。先にも話したように、感染したウイルスがすべて耐性ウイルスのみであるという意味では無く、感染したウイルスの中に耐性ウイルスが混じっているという状態ですので、正確には効きにくいという表現に今は相当します(ちなみにタミフル・リレンザとゾフルーザは作用機序が全く異なります。そのため、タミフルやリレンザは予防薬として効果がありますが、ゾフルーザには予防薬の効果はありません)。
時期的・地域性を考えると「受験生」を忘れることは出来ません。ゾフルーザは1回で良いので便利な感じですが、症状が長引く耐性ウイルス(「横浜」で実際の人体から検出された)が認められた以上、以前からのタミフルやリレンザの5日間服用する方が確実性があります。もちろんゾフルーザは著効すると以前からの薬より早く効果が得られるという報告がありますが・・・。当院へ月経と受験の相談においでになられた方には必ずインフルエンザの予防接種をおすすめしていましたが、予防接種をすれば重症化は防げる傾向にありますが、発症しないわけでは無いので、その際は治療薬を選択しなければなりません。以上のような差があることを考えて選ばれる方が良いかと思います。受験の時は自分の能力を100%発揮させてほしいから・・・。
ちなみに妊娠中の方には重症化になりやすい傾向にあるのでタミフルやリレンザを処方します。ゾフルーザは国内的にも妊婦への使用頻度が未だ少なく、もう少し時期をみて使用するかどうするかを考えている次第です。
内科医みたいな話になりましたが、受験生や妊娠中の方の事が気になって書きました。また、ずっと前にお話ししたアビガン錠(インフルエンザの薬だけど催奇形性がある)の話とは無関係です。

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