医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2020.04.25

COVID-19(2020年4月24日現在の知見から):3回目

岩手県で2週間ルール(帰省して2週間実家に留まった後分娩先の受診)によって、破水しているにもかかわらず妊婦がたらい回しになりました。コロナにかかってないかどうか分からないからと言う理由からですが、2週間ルールそのものがコロナを完全に防げるとは思えません。あくまでも希望的観測に基づいているだけで感染ルートが不明の患者が主流になっている以上、感染者0名の岩手県でも実際の患者の存在は分からないのです。

少しでも科学的根拠を得るためには入院直前にPCR検査を実施し陰性となっているのを確認できればいいのかもしれませんが偽陰性の存在があります。PCR検査の陽性は「絶対に陽性!」であるので実施する意義は毀損されません。PCR検査を実施する意味はあります。しかし何故かPCR検査はさせてくれない(建前上はできるはずなのですが敷居が高く?実際問題で実施不能)。

一方、ニューヨークでは症状がない人の21%がコロナIgG抗体陽性となっていて気づかないうちに感染し既に治癒しています。これを関東圏に当てはめてコロナの抗体の有無を利用しない手はありません。ここからは推論が含まれていますが、コロナウイルスの抗体は今回の新型でなくても1年ほどで抗体の力価が有効でなくなることが多いため、恒久的な免疫獲得にはならないかもしれません。でも少なくとも数ヶ月は感染しないと考えられます。従って知らないうちに感染してしまって治ってしまった妊婦もいるはずなので妊娠28週の中期の血液検査の際にコロナIgG抗体の検査も併せて実施しコロナIgG抗体陽性になっているかが分かります。分娩はその検査の9週間以降(妊娠37週以降)になるので、仮に検査時(妊娠28週の時)にコロナの治りかけでIgG陽性になり始めたとしても、その9週間後の分娩時には、コロナウイルスは身体から消え誰かにうつしたりしません。また抵抗力があるので3ヶ月以内に再度コロナにかかる可能性(医療従事者がたとえ感染していても)も無くなるはずです。そして臍帯経由で移入抗体が胎児に移行するので生後3ヶ月までは新生児もコロナにはなりません。

ただ、今述べている論理は本来、どのウイルス性疾患にもほぼすべてに当てはまることなのですが、今回のコロナに当てはまるかどうかが未知です。有効な抗体価はいくつ以上が必要であるのとか、そういう結果については今回のCOVID-19についてはまだ述べられていません。調べてほしいものです。この方式がうまくいけば他の疾患(癌や心臓のカテーテル手術など)で手術を延期している方にも既感染が証明されればすぐにでも手術可能になるので朗報となればと思います。

とりあえず大至急抗体検査のキットを注文しましたが、これがいつ手元に来るのかが未定でそこが歯がゆい所です。当院の妊婦さんに分娩先で決してたらい回しにされない方法を今ある知見を集めて色々考えている毎日です。

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