医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2017年12月 無痛分娩について(IV)

ずっと昔「明日ゴルフ行くから今日中にお産終わらせとこう」とか「夜中に産まれるのは面倒だから昼間の内に産ましちゃおう」というわがままな考えで医学的根拠もなく陣痛促進で分娩させていた医者もいました。妊産婦にとっては大きな迷惑です。逆に「遅生まれ・早生まれの境になるので早く産ましてほしい」とか「夫と誕生日そろえたい」とか妊産婦側から陣痛促進の希望があって、それに応じる医者もいました。これは医者にとっては大きな迷惑です。でも、赤ちゃんにとってはどうでしょうか?上記のどれも赤ちゃんにとってはいい迷惑です。大人の都合のみで陣痛促進をしているのですから・・・。
これが破水をしてしまって時間がたっているとか微弱陣痛になってあともう一歩で分娩に至らないとかですと赤ちゃん・妊産婦・医者全員にとってメリットがあります。
本来、無痛分娩は陣痛がつらくその痛みを消すのが目的ですので、陣痛があって初めてそれを「消す」目的ができるにもかかわらず、いつ陣痛が来るかわからないから胎児も十分発育しているし折角無痛になる方策を講じているのだから(エピ入れたのだから)陣痛を起こして分娩させちゃおうという本末転倒の扱いを受けています。この場合は妊産婦も医者も合目的になり問題なさそうですが、赤ちゃんにとっては全く無視された状況になります。
陣痛促進はきちんと行なわれれば安全に出産することがほとんどです。しかし、不幸にもうまくいかず、子宮破裂や過強陣痛などが起こっても無痛分娩時は痛みがわかりにくいので発見が遅れて母児共に非常に危険な状態になることもあります。結果が悪く出たとき、さかのぼってみんな考えるのですが、、、そもそも、なんで陣痛促進をしたのだろうか?というところまで戻ってしまうと後悔のみが残ることになります。
陣痛があるから、それを消すというのは理解できますが、折角、無痛にしているのだから陣痛を起こすというのは逆だと私は思います。何か違うな?と。あくまで個人の意見ですが…。

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