医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2017年11月 無痛分娩について(III)

無痛分娩の痛みの緩和方法について述べます。
いわゆる和痛分娩というのはラマーズ法とかもう少し薬剤を使って痛み止めの注射や内服などをして陣痛に伴う疼痛の緩和を目的にします。痛み止めの注射などで行なう場合、産婦を「ぼんやりさせて」痛みに対しての認識能力を下げ、その結果「痛くなかったかも・・」と思わせるものがありますが、その場合、施設にも寄りますが、薬の量が多いと産婦をほぼ傾眠傾向(半分寝てしまっている)にさせて、出生した新生児にも薬剤が回ってしまってスリーピングベイビー(自発呼吸もおぼつかないことがあります)になってしまうこともあります。
今回述べるのは無痛分娩です。無痛分娩のトレンドとしては硬膜外麻酔となります。背中からチューブを挿入し、脊髄神経をくるんでいる硬膜という膜の「外側」に留置して麻酔薬を「持続的」に注入して、決められた範囲内の痛みの神経をブロックするものです。従って、もし「内側」に入ってしまうと直接脊髄神経が麻酔薬に浸る状態になります。いわゆる腰椎麻酔はこれに当ります(この場合、持続注入はしません)。しかし、「内側」に入っているにもかかわらず「外側」にあると勘違いして「持続的」に麻酔薬を注入し続けると脳の方まで到達してしまい、全神経のブロック状態となるので自発呼吸ができなくなり放置すれば残念な結果になります。従って麻酔の手技が熟達しているのが大前提で、いわゆる「へたくそ」だと危険です。更に、一般的な手術の場合、麻酔をかけている状態の時、原則麻酔科の先生は患者のそばにずっといます(TVドラマですらも付き添ってますよね)。無痛分娩の麻酔も医師が傍にいて何らかの変調があった際はすぐ対応できる状態にしているのが絶対条件だと思います(距離的にも・時間的にも・技術的にもです)。
一言でいえば硬膜外麻酔を失敗しない技術と麻酔に伴うイレギュラーな事象に対しての対応策をとれる状態が最低限必要なことだと考えます。

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