甲状腺疾患は内科の疾患で産婦人科とは関係なさそうに見えますが、当院では、甲状腺疾患に起因する産婦人科の疾患を結構見つけています。
月経不順は「女性ホルモンのバランス?」以前からよくおはなししている「プロラクチン?」などなど色々な原因がありますが、月経が2~3ヶ月来ない方の中の20人に一人は甲状腺疾患が隠れています(当院のデータ)。もちろん、プロラクチンも甲状腺のホルモンに振りまさされて異常値になり、結局、月経不順の原因になります。PMS(月経前症候群)や更年期障害の方の中にも女性ホルモンのためではなく甲状腺疾患からの体調変化で症状がひどくなっていることがあります。また、妊娠中も甲状腺疾患のある方は出産後の新生児の管理も含め注意を要します。
甲状腺疾患の治療薬はそれ専用のものであるため、その存在を見逃されると、全くといっていいほど症状が改善しません。
家族内発生率も高いので甲状腺疾患患者の女性血族の方で似たような症状が出ている場合はまず、甲状腺疾患を疑うことを推奨します。以前、甲状腺疾患を見つけた患者様の姉・母・祖母がすべて甲状腺疾患であったことがありました(本人に家族内で調子悪い人がいたら内科にいってみてねと言ったところ発見された)。
産婦人科疾患だと思っても内科的疾患と大きなつながりがあることも多いので注意しましょう。
2019.10.04