最近、妊婦健診をしていると「あれ?この妊婦さんに超音波検査で同じ大きさの胎児をみながら、同じように説明して、元気です!といったような感じがする」事があります。決して私がぼけちゃったのではなく・・・です。でも、実際は違うのですが・・・というのも、当院ではお子様連れで診察においでになってもかまいませんし、その対応もしています。そのため「あれ?この間見た光景が・・」は、実は妊婦健診に一緒についてきている、そのお子様が数年前にお腹にいた時の検診を思い出しているからなのです。ついこの間までお腹の中にいて超音波検査でお母様に「元気です!」と説明していたはずの胎児が、今度は妹か弟になる胎児のエコーをみて「赤ちゃんがいる!動いてる!かわいい!」と言っている様をみると「なんかすごいなあ」と素朴に思ってしまいます。
お母様になっている方もそのお母様のお腹にいたときがあるわけで、いつまでたってもこどもはこどもというのはすごくわかる気がします。今年の暮れに還暦になる私でも母からすれば赤ちゃんだったときの事から面々とつながっていて,いつまでもこどもなのだと思います。
産婦人科にとって「夫と妻」が「お父さんお母さん」になっていく姿はすごく微笑ましいです。数年前に胎児だったこどもがお母さんの胎内にいる胎児を喜んでいる。そのお母さんも元々は胎児だったわけで、そのときもお母さんのお母さんは喜んでいたと思うと感無量です。本当に自然ってすごいですね。だから、毎回妊婦健診は楽しい仕事になっています。折角の幸せそうな妊婦さんをみれるのにつまらなそうに業務として妊婦健診を行うのは何とももったいないと思います。
2019.10.04