医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2015年11月 毎年受けている子宮癌検診はある意味、子宮「癌」検診ではない

子宮癌検診をお受けになる方から、良く聞かれる質問に、1年に1回ですか?2年に1回でいいですか?と聞かれます。
子宮頚部細胞診(いわゆる子宮頚癌検診)も子宮体部細胞診(子宮体癌検診)もほとんどサンプリングデータとしてほぼ全体から細胞をまんべんなく採取して検査をしています。従って、ブラインドエリア(今話題になっている乳癌検査の乳頭直下のような)のような所はほとんどないに等しいです(まれに癌検診で子宮内腔に筋腫核などがあるとその先の細胞は直接拾えていないこともありますが)。頚癌検査を例にとりますと、以前からお話ししているように、ベセスダシステムで表記されますが、NILMは正常、手術が必要となるのはHSIL・SCC(腺癌系は別として)などと表記されているものになります。そのため、NILMではなくHSIL・SCCでもない、ASC-USとLSILとASC-Hは何に相当するのでしょうか?これらは癌細胞ではありません。異型細胞という形で、正常ではないけれど癌細胞でもないその間の状態となります。ここからすぐに癌細胞になってしまうのではありません。ただ、正常に戻る方も、そのまま現状維持の方も、変化してしまって癌細胞化していく方もいます。
基本的に毎年受けている方はこの異型細胞が出現するところで発見されるので、今後の経過観察やご本人の予定(妊娠したいとか、あるいは悪くなりつつあっても手術の日程とか)が立てやすいのです。2年に1回になると残念にも癌細胞として発見されて、癌のステージが初期なのかどうなのかを論じることになります。
つまり、2年に1回ですと子宮「癌」検診です。1年に1回ですと子宮「異型細胞」検診となって「癌」のずっと前の状態で発見されることが多いです。この点が他の癌、たとえば胃癌とか大腸癌とかのように「早期の癌」というのではなく、その前の状態で見つけることができる特殊な検診になります。
 「異型細胞レベルで早くから知っておきたい方」と「手遅れの癌でない段階で見つけられればそれでいいという考えの方」も両者あるともいます。両者を否定しません。ただ、だめな検診サイクルは、毎年受けていたのに5年間あけてしまって、その後手遅れの癌を見つけるくらいなら、2年に1回周期的に欠かさず受けて、早期の癌で見つける方がずっとよいのは事実です。

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