医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2014年5月 子宮頸癌の予防接種

公費で補助される中学生と高1の女子についてではなく大人を対象とした話をします。
子宮頸癌の予防接種はHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を防ぐことを目的としています。HPVには色々な型があってそれぞれに特徴があります。一般的に癌を起こすものをハイリスク群と呼んでいます。代表的な予防接種のガーダシルを例にとって説明しますと、16型、18型、6型、11型を防ぐとされています。一方、ハイリスク群は13種類あって、そのうち、自然消滅(自然に治ってしまうという意味)を見込めるものと自然消滅しにくいものとに分けられます。ハイリスク群は自然消滅しにくい16、18、31、33、35、45、52、58型と自然消滅が見込める39、51、56、59、68型の合計13種類です。ただ、消滅してくれるまでは「悪さ」をしますので消滅しやすい型でも癌化させる事があります。
ここからが今回の本題です。正式に表明されているものではないのですが、ガーダシルには正式に効果のある先ほどの4つの型以外にも、実は予防接種をすることによって弱いながらも31、33、35、39、45、51、52、56、58、59型に対しての抗体を作ることがわかっています。そのため、既にHPVの感染を受けてしまって子宮頚部細胞異形成があったり、高度異形成やすでに癌化して円錐切除等を受けている方に対しても予防接種によって抗体産生がしっかりされることによってHPVの成育を抑えることが可能かもしれないとの報告があります。実際には円錐切除後に上記の型の範囲であった方は予防接種をして再発頻度が落ちたとの報告もあります。現在、さらに研究されていますので、そのような報告には眼を光らせていてください。もう私には関係ない(もうHPV感染してしまっているので・・・)と思っている方も十分接種対象になり効果を見込める可能性があります。
公費の予防接種は今回何もコメントしません。上記の事に関して興味があれば医療施設で相談されるといいでしょう。

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