医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2018年2月 妊娠中、嫌な感染症

妊娠中、かかると困る病気は色々ありますが、大きく分けると次の5つです。
梅毒・トキソプラズマ・風疹・サイトメガロウイルス感染症・りんご病(パルボウイルスB19感染症)です。
梅毒は胎盤形成するまでに治療開始していれば胎児への影響は回避できます。
トキソプラズマはこれに感染しているネコやブタ(養豚場レベル)の糞を吸引すると感染します。良く半生肉食べちゃったから大丈夫か?と心配する人がいますが、そんな方に限って、上のお子様と公園の砂場(野良猫がうんちするのを好む場所の代表)で遊んでたりして、そっちの方がずっと危険です。
風疹は予防接種を受けていて、その抗体がしっかりあれば防げますが、妊娠中に予防接種はできないので、予防接種による追加免疫は得られません。妊娠する前に免疫を獲得しておかないといけません。
サイトメガロウイルス感染症は風疹なみに胎児奇形を含めた障害を起こします。唾液からの飛沫接触感染で過去は全人口の99%免疫を持っていたのですが、今は70%前後と言われていて、免疫を持っていない妊婦が初感染すると胎児に異常を起こします。予防接種も治療薬もありません。
りんご病は風邪と同様にうつります。ほぼ、年齢の数字をその抗体保有率と考えて結構です。例えば28歳なら28%、35歳なら35%とか・・。従って、ざっくり計算すると1年間に1%の初感染がいることになります。初感染時妊娠していると胎児の赤血球を破壊して極度の貧血・心不全を起こして死亡します。ただ、胎児奇形はないので胎児死亡を起こさないで乗り越えられれば出生後は特に問題ないです。
これら5つの内、梅毒・風疹はほぼどこの妊婦健診施設で検査します。トキソプラズマは稀に検査しない施設があります。でもサイトメガロとリンゴ病は検査しないところがほとんどです。職業柄(看護師・保育士・クリニックの受け付け事務・不特定多数の人と会う仕事など)、感染の可能性のある方は妊娠する前に知っておいた方が絶対に安心です。ちなみに当院の職員にはこれらを説明し全員に検査を実施して、安心してくれています。

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