医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2018年1月 無痛分娩について(まとめ)

分娩は赤ちゃんと実際に初めて会える瞬間でもあり、できれば痛みに振り回されずに実体験しておきたいという希望はわかります。もちろん、陣痛がある意味、非常につらいものであることも理解できます(男性からはわからないだろう?とかおっしゃる方がいますが、実際に怪我していなくてもその痛みは十分理解できるのと同様に陣痛に関しても理解はできます)。「無痛分娩」の発想は否定しませんが、あくまでも硬膜外麻酔で技術的に熟達していて麻酔管理も常に産婦のベッドサイドにいて行なわなければなりません。そして不幸にも麻酔に伴うネガティブな事象がおこれば速やかに発見しすぐに対策ができなければなりません。また、本当ならば陣痛がおこってからその痛みを消すものであって痛みを消す手技を行なったから陣痛を起こすというのは本末転倒であることも理解すべきです。
以前、私が横浜赤十字病院で部長として分娩管理の責任者であったとき、無痛分娩は緊張を伴ってパニックになる方や分娩の痛みに対して格別の恐怖心を持っている方に限定して行なっていました。痛みを消す方法は硬膜外麻酔で真夜中であっても麻酔科の部長先生に必ず実施してもらい産科医は分娩に専念していました。当然、陣痛が起こってから麻酔し、時には陣痛が遠のいてしまった場合はエピを抜去し無痛処置を中止したりもしていました。ここまで対象を限定し、施術者も病院内で最高の技術者にお願いし、産科医も分娩に専念して行なっていただけに、特にトラブルもなく、皆さん無事にお産をされていました。
無痛についてコストパフォーマンスとか言う言葉を用いるのは私の年齢になると医療行為にはそぐわない気持ちになります。あくまでも個人的意見で参考程度に記憶して下さい。

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