医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
住所:〒224-0003 神奈川県横浜市都筑区 中川中央1-37-9 TNKビル2F 
電話番号:045-914-6560

コラム

2019.10.04

2017年10月 無痛分娩について(II)

無痛分娩のメリットしては分娩に伴う痛みを緩和して、一生のうち、数回しか訪れないであろう分娩全体の経過を陣痛の痛みに振り回されず、しっかり理解して体感できる点にあります。本来、陣痛時は分娩ハイ状態になりますが、それは、あまり得られません。分娩ハイはいわゆるマラソンハイと同様にマラソンの肉体的ストレスから脳内麻薬物質のβエンドルフィンが出て、却って「気持ちいい状態」なることです。同様に分娩ハイは陣痛に対してβエンドルフィンが分泌され、痛いけど「気持ちいい状態」が作られます。そのため、分娩直後、嘘のように陣痛が消えたあと、βエンドルフィンは残存しているため、出産直後に「赤ちゃんが生まれた!」「無事出産できた!」「お母さんになるんだ!」とか幸せ一杯の気持ちに、本人が気づかないうちに脳内麻薬物質のおかげで「気持ちいい状態」が追加されるので何とも言えない幸せそうな表情になります。でも、無痛分娩のあとはこのβエンドルフィンの効果はほとんど発揮されません。マラソンで、中途をはしょって、ゴール近くまで車で運んでもらったようなものです。でも、このことは味わえなくても、この陣痛の痛みから解放される事のメリットは多いと考える方がいらっしゃいます。
ディメリットはいかがなものなのでしょうか?大きくは次の2つに集約されます。
「麻酔の手技による副作用」と「分娩に向けて陣痛誘発・促進をする」二点です。
次回はこのことについて書きます。

tel.045-914-6560
一番上に戻る