医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2017年4月 妊娠初期の流産の扱い

残念にも胎児がうまく育たず流産された場合、まだ内容物が子宮内に留まっている状態を稽留(けいりゅう)流産と言います。以前からの考えでは流産の処置として、子宮内容を手術で掻爬することのみを第一義と考えて行なわれてきました。一方、体外受精などを行なう施設から異なる意見で自然に全部排出してくれた方が子宮内膜を疲弊させないでいられるとの考えから手術をせずに待つと言うことも言われています。そのため、実際にかかりつけの医療施設がどちらの説明をされるかによっては扱いが変わってしまいます。
もちろんそれぞれ一長一短が有り、手術をすれば内膜をほんの少しであるが、いわゆる「いじめた」状態になります。また、待っていると、非常にまれですが流産物が貯留しているのが原因で子宮内感染を起こして子宮内膜炎を引き起こし次の妊娠が非常にしにくくなることも危惧されます。それと、いつ自力で出てくるかはわからないので出始めたときの処置はどうするのかという問題点もあります。残念な結果の際は、かかりつけの先生に十分相談の上、方針を決定しておいて下さい。
先日救急外来としておいでになられた方は、体外受精専門のクリニックで診ていて妊娠3カ月子宮内胎児死亡と診断され内容物が自力で出ることを「経過観察する」と言われた方でした。その結果、急に内容物が出始めたため電話をしたところ診察は今すぐではなく混んでいるので予約日に来る様に言われ、その内容物(胎児も含め)は「持ってこられても困るので、トイレに流して下さい」と言われたそうです。精神的にどれだけつらかったでしょう。それに排出した流産物は病理検査に出して絨毛性疾患が無いことを確認するのが常道です。このように残念な結果になったとき「経過観察する」医療施設なのか「放置する」医療施設なのかの見極めはしないといけません。

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