医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
住所:〒224-0003 神奈川県横浜市都筑区 中川中央1-37-9 TNKビル2F 
電話番号:045-914-6560

コラム

2019.10.04

2016年9月 紹介状

紹介状といっても,私が医師になりたての頃(35年以上前)、前時代的医者から「僕の患者だからよろしく!」(結局、こちらからすると「あんた誰?」そもそもどんな医者だか知らないし・・・に、なる)という名刺の裏にメモが書いてあるようなものではなく、今回の話題は医療情報提供書としての紹介状のことです。
小泉政権以降から大きな病院の初診時、医療情報提供書がなければ病院は別途自費でお金を請求できるようになりました。そのため、医療情報提供書をかかりつけの医師から発行してもらってからでないと受診しにくくなりました。以前かかっていた時に行なった検査内容や診断名治療方針そして治療の効果とその変遷がないと病院側も却って時間もかかり、ひいては患者様の不利益になるので意義はあります。しかしながら、健康保険適応であっても3割負担なら750円が医療情報提供書の費用となります。
そこで不思議なのが、クリニック同士で特に分娩を取り扱う施設でのそのやりとりです。当院の不妊症治療後めでたく妊娠され分娩施設への分娩予約をする際、当然病院レベルに対しては医療情報提供書を携えて受診する事が当たり前となっています。病院によっては前もって医師自らがFAXし、分娩先の医師と話をしてから紹介を受け付けるというのまであります。しかし、とあるクリニックでは「紹介状なんかいらないからとりあえず来て。紹介状っていってもただじゃないから,患者のお財布まで考えてあげてるよ,うちは・・・」みたいなところがあります。「大丈夫かな?」と不安になることがしばしば。特に当院では甲状腺疾患や心疾患、子宮筋腫などの合併症の方も多く診ているだけに、その原疾患合併妊婦となっている方を医療情報提供書無しで診察してから「おたく(当院のこと)からきた患者だけど、今までの経緯がわからないから教えてくれ」と電話かけてきたり(これは口頭で話す内容はない)します。「紹介状不要!早速来ること!」といわれご夫婦で行かれたのですが、今までの既往歴を話したところ「あなたはうちでお産は、そもそも無理だから、他へ行って!」といわれて面食らった方もいます(しっかり診察料はとられたそうです)。「医療情報提供書は不要」といわれた分娩先はちょっと不安を感ぜずにはいられません。
そもそも「紹介状不要!」ということ自体、それまで診ていた当院の診療内容を全く無視するのと同義語ですので、ある意味「非常に失礼」な話なのですが。

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