医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2012年9月 妊娠中の気になる感染症3

グループB:トキソプラズマ感染症
ネコや豚から感染する寄生虫です。数か月前、NHKで取り上げられて気にされる方が増えています。以前から注意を要する疾患だったのですが必要以上に気にされる方が多苦なってしまいました。生肉などでも感染するのですが、ちゃんと火を通した形のレアステーキであれば感染はありません。それよりもネコを飼っている方のほうが注意を要します。ネコからの感染は「ネコの糞便を吸引する」ことによって起こります。「ネコの糞なんか吸引しないよ!」という方も多いと思いますが・・・ネコは排便後、お尻を拭きません。したがって肛門周囲の体毛に糞が付着していることはよくあります。それを自宅内で飼っているとソファや絨毯や布団などにそのままの形で座ってしまい、知らず知らずに擦りつけられています。その後、乾燥するとホコリのように浮遊してそれを吸引してしまうのです。アレルギー性鼻炎の時、あんなにハウスダストやダニなどを気にしているのに、なぜかネコの事は気にしない方もいますが、トキソプラズマの方がずっといやです。トキソプラズマは吸引した後、人間の肺の中で孵化して肺胞を食い破って血管に入り、血流に乗って眼に行って、眼底などの血管をまた食い破って、脳室内をウロウロします。そこから先は人間の体内では生きていられなくなって死んでしまいます。その死骸が胞子の粒のようになって脊髄液の排出口を塞いでしまったりします。大人はそのような事があっても排出口も広いため、症状は全体的に起こりにくいですが、胎児・新生児は網膜を損傷して先天的な視力障害や脳室に水がたまって先天的な水頭症になる事があります。もちろん流産もあります。そのため妊娠初期に血液検査で検査する施設が多く、もしも感染したばかりであれば薬飲む事で症状は抑えられますのでその点は安心してください。
ペット大好きな人には申し訳ないのですが、家の中で犬やネコを飼っているのは、ある意味大きな犬小屋や猫小屋に自分が生活しているのと相対的には同じことであることを理解しておいた方がよいと思います。しっかりした認識が有れば怖いことはありませんが、注意は必要です。

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