医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2010年9月 ジェネリック薬剤について(その3)

前回は先発薬剤に後発薬剤(ジェネリック)が追加されると、似たような名称が混在してヒューマンエラーをひきおこす可能性が高くなりそうだということをお話しました。
今回は、ジェネリック薬剤がどんどん販売されることに関して、ちょっと、個人的に不安を感じている事をはなします。
車やコンピューターの開発には相当のお金を費やしています。そのため、製品化された時に価格にその開発費は上乗せされ、回収され、さらに次世代の開発費にも充てることになります。車やコンピューターの場合は似たような製品が出てきても、国を挙げて、後発製品を薦めることはしません。従って、新製品の段階ではその製品は独壇場です。しばらくたって、ブームが去っても、しばらくは、なだらかにフェードアウトしていくことが多いです。急に後発製品にその席をのっとられることはありません。
薬剤はどうでしょう? 当然、先発薬剤には膨大な開発費が投じられています。しかし、特許(ちょっと短い気がしますが)期間が終わると、そっくりなものを作れることになっています。これが後発薬剤(ジェネリック)です。本来、後発薬剤が出てこなければ、また、国が推奨したりしなければ、販売量は、なだらかなフェードアウト状態になるところを、急激に販売量減少を起こすことになります。すると近視眼的には安いものが流通して、スゴく得した気になるかもしれませんが、長期的には今後の新薬の開発費に回すつもりの収入を得られないため、日本の製薬企業が新薬の開発が遅れる結果を招くことはないでしょうか?これが単なる危惧であればいいのですが、日本の製薬会社(ジェネリックの会社ではなく新薬開発能力のある)がどんどん外資系製薬会社と合併したりしてきていて若干不安です。
また、非常に重篤で過敏な薬剤アレルギーのある方が同じ成分であるにもかかわらず、糖衣錠形態が異なるため、ジェネリックでアレルギーを起こした例も聞いています。
ジェネリックの利点も沢山あるのですが、後発品を国を挙げて勧めるのは、いかがなものかと考えている次第です(その1にも書いたとおり。価格がすべて!の論理で、はなしが進んでいるので・・・)。

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