医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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電話番号:045-914-6560

コラム

2019.10.04

2010年7月 ジェネリック薬剤について(その1)

黒柳徹子さんがCMをしている、あの有名な「ジェネリック」のお話です。私のところは産婦人科ですので、夜中でも「妊娠中ですけど、内科でもらった薬、飲んでいいですか?」などの問い合わせがよくかかってきます。もちろん、きちんとお答えするためにも正確に薬の名前をお聞きするのですが、聞いたことが無い名前が出てきます(枕元にはジェネリックの薬の最新版の本を置いています)。たいていは発売されたばかりのジェネリック薬剤です。厚生労働省の表記を使って書きますと、初めて開発され使用された薬剤を「先発医薬品」といい、ジェネリックはその薬の特許上の期限が超えた際に同じものを作れるようになった薬剤で「後発医薬品」といいます。
当院の患者様も調剤薬局でジェネリックを勧められ、変更されている事があります。私としましてはできる限り「先発医薬品」で処方するように心がけています。決して「後発医薬品」を否定しているのではありません。といいますのも、私のところの処方箋にはほとんど「変更不可」という署名をしていません。つまり、「後発医薬品」に変更してくださって結構ですという形をとっています。では、何故「後発医薬品」で処方箋を書かないかといいますと、それで書くと変な縛りが発生することがあるため患者様に大変お時間を取らすことがあるからです。その理由は厚生労働省の通達のためです。その通達とは「後発医薬品への変更調剤は変更調剤後の薬剤料が変更前のものと比較して同額以下であるものに限り対象となるものであること。」(抜粋)となっています。簡単に言うと、薬が同じものなら価格の安いものには変更していいけど、ジェネリック同士であっても、金額が高くなるような変更はダメと書いてあるのです。もし仮に私の処方の薬剤が一番値段の安い後発医薬品であった場合、それより値段の高い後発医薬品しか調剤薬局に置いてなければ、薬をもらうためには私のところに連絡し、その承諾を取って、さらにその要件を満たしているか、私が確認し、カルテの記載に追記して新たな処方をしなければならず、非常に時間をとります。
こう考えてみると患者様の支払いが安くなるのもいいのですが、このシステムは患者様の利便性というよりも価格第一主義の感は否めません。ちょっと不思議です。

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