医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2016年5月 納得と理解

残念にも流産される方がいらっしゃいます。その時、いつも「残念です。流産のことは納得しなくていいから・・・でも理解して下さい」と話してから説明をします。流産の経過も色々です。妊娠ごく初期の流産で妊娠反応でのみで妊娠がわかるけれども子宮の中にGS(胎嚢:赤ちゃんの入る袋)が、まだ見えない超極初期に流産してしまうものがあります。俗に化学的流産(chemical abortion)と言われるものです。先生によってはそれを流産にカウントしないという方もいますが、私はしっかり覚えておいていただきたいし数に入れることにしています。化学的流産は化学物質で流産させたみたいな誤解をうみかねない名前ですが、そういう意味では無く、妊娠反応という化学反応でのみ妊娠がわかり画像上などではまだ妊娠であることが確認できない時期の流産という意味です。さらにはGSのみで胎児が見えずに流産するいわゆる枯死卵や胎児心拍を確認後に心拍停止が起こる子宮内胎児死亡も流産です。さらにはもっと大きい週数で胎児は元気なのに破水してしまい流産される方もいらっしゃいます。
でも、いずれも「患者様には納得なんかしなくていい、でも、理解して!」と話しています。私自身が流産なんて理不尽なこと納得できないからです。でもその経緯はしっかり理解されておかないと、次の妊娠の際、以前と同じ事を繰り返すのではないだろうかと当然考えてしまうわけで、今回のことをきちっと理解できるだけの検索をしてお別れをしないといけないと思っています。不妊症からやっと妊娠したのに化学的流産になった方だけで無く初めての流産であっても、その気持ちは筆舌に尽くしがたい悲しみです。納得は不要です。我慢せず悲しんで下さいとしかいえません。でも、理解することによってその先には次の妊娠が待っていることがわかりますから・・・。
今月特に不育症の管理をしていた方や化学的流産後の方がこれらのつらさを乗り越えてたくさん妊娠され順調な経過をとっていらっしゃいます。そして、その方々から「流産時のつらかったときに悲しんでいい」と言われたのでかえって楽になったとのお言葉をいただいたので悲しい話ですが流産について書きました。

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