医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2018年9月 風疹

また、ちょっと流行っています。妊娠中に感染すると胎児に重大な影響を残します。風疹抗体検査はHI法が日本では標準になっています。8倍未満だと抗体が無いので感染すると胎児奇形になる頻度が著明に上昇します。しかし、この場合、母体にも何らかの症状が出ますので気づきます(気づいたときは事、既に遅しなのですが…)。8倍・16倍ですと母体には感染しても症状が全く出ません。しかしながら胎児に対してのバリアーになっていないので胎児は罹患してしまうことがあります。その際、感染すれば胎児の障害は8倍未満の時と何も変わりません。かかってないと思ってたのにしっかりかかってたという状態になります。嫌なのは、ご主人には抗体が無くしっかり感染して母体は8倍・16倍で抗体があるため見かけ感染が成立していない様で胎児はしっかり感染しているという形です。「母体の抗体の足りなさ」・「ご主人の無抗体のため」の両者でその夫婦間の胎児が重大な局面を迎えることがあります。
日本の風疹抗体の保持についてみてみると、国策の変化と国民の意識とから予防接種を受けてない人が少なからずいて「妊婦の場合予防接種を受けているのに十分ではない方」、「妊娠してない男女ともに無抗体の方」が混在しています(男は全くの無抗体の世代がある)。このことで今でもプチ流行が不定期に訪れる結果となります。個人の主張や意見に基づき予防接種は受けないことも選択できる様になっています(この場合、母親の意見が多い)。そのため全く抗体を持たない人(8倍さえあれば人にはうつさなくなるのですが)が市中に存在します。この様なことも十分考えた上で「予防接種を受けない!」という選択を考えないと周囲の人への影響だけで無く実際、血縁の孫を妊娠したときにつらい事を経験することもにもなりかねません(娘もしくは息子に予防接種をさせない選択をしたため、その夫婦(息子+娘)のどちらかが妊娠中に風疹に罹患してその胎児(つまり孫)が胎内感染を起こしてしまう・・・)。
風疹抗体検査やその予防接種に公費が投入されています。気になる方は受診して下さい。

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