医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2017年3月 トキソプラズマIgG avidity

妊娠中にトキソプラズマの初感染を起こすと胎児奇形を起こす可能性が非常に高いです。
未だに妊娠初期の血液検査にトキソプラズマの検査を入れていない施設もありますが、その理由はわかりません。トキソプラズマによる胎児の異常はインターネット検索などですぐわかりますのでここでは今回述べません。検査方法はまず採血検査でトキソプラズマIgG抗体の有無を調べます。これが陰性であれば過去から現在までの感染を否定できます。トキソプラズマIgG抗体が陽性であれば、過去から現在のどこかで感染を受けています。持続感染は存在しないので今回の妊娠中に初感染であるかどうかが重要になります。それでトキソプラズマIgM抗体を調べます。IgM抗体は一般的に初感染の一時期しか出現しない抗体なので、トキソプラズマIgM抗体が陰性であれば、今回の妊娠中に初感染を起こしていないことになるので大丈夫です。しかし、トキソプラズマIgM抗体が陽性であると今回の妊娠中に初感染した可能性が出るため胎児にも同時に感染し奇形児となる可能性があります。そのためアセチルスピラマイシンを分娩まで結構の量を服用することをしいられます。
ここで問題になるのがトキソプラズマIgM抗体がなぜかずっと低値で何年間も陽性になっている方が結構いらっしゃることです。そうすると昔の感染なのにも関わらず飲まなくていい薬を飲む羽目になるのです。
そこで調べるのがトキソプラズマIgG抗体のavidityです。これは過去にトキソプラズマに感染していると、このavidityの値が20%より超えて来ます。そのため、20%を超えてきていれば、過去の感染であると診断されます。この検査は一部の検査機関だけで行なわれていて保険適応もありません(何で保険適応でないのか不明)。当院でもavidity検査を実施してトキソプラズマの妊娠中の初感染でないことを診断できた症例が多数あります。もし、あなたがトキソプラズマの検査でしっくりこない結果を説明されたら、ちゃんと説明・検査してくれるところに受診しましょう。

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