医院名:医療法人真理恵会 田中彰クリニック 
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コラム

2019.10.04

2015年4月 月経周期によって変動するもの

代表的なものに子宮内膜の厚さと卵巣の状態があります。ともに排卵周期に伴って変化します。子宮内膜の厚さは月経により剥がれ落ちた後なので超音波検査で5mm未満であったりします。しかし、排卵日頃になると10mm位の厚さになります。これは不妊症の外来においでになるとわかるのですが、その厚さが必要なのです。そして排卵日から1週間後の着床する頃には15mmくらいあると幸せです。そして妊娠すればさらに厚くなりますが、月経直前にピークを迎え20mm前後までを限度に妊娠してなければ月経になってしまい剥がれ落ちます。
卵巣は卵胞(液体がたまった部分で将来そこに卵子が存在するようになる)というのができてきます。月経中にはほとんど卵巣内に卵胞を小さすぎて認めることができません。しかし、だんだん大きくなって排卵日の頃には20mm位になります。これも同様に不妊症の外来ではその大きさが必要なのです。排卵すると、その卵胞はつぶれて消失しますが、排卵障害があって存続卵胞という状態になると20mmよりずっと大きくなることもあります。でも、これは排卵障害の結果だけなのです。
一方、子宮体癌や子宮内膜増殖症は内膜の厚みが20mmを超えてしまいます。では先ほどの月経周期による変化とどのように比較すればいいのでしょうか?子宮体癌や内膜増殖症は月経周期に伴って良くなったり悪くなったりしないのが普通で内膜の厚さは若干の変化のみです。ですので月経直後にも厚いなら異常であると診断できます。卵巣腫瘍と存続卵胞との鑑別診断も月経周期にあわせてチェックすれば簡単に行えます(卵巣腫瘍は小さくならないので)。
1回超音波をみただけで子宮内膜増殖症とか卵巣腫瘍とか、即、診断しようとするのは超音波を「見ている」だけで「診ている」事にはなりません。

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